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日本語教師JTO 養成講座編1

 

第二十一話

日本語教育能力検定試験。

 

第二十四話

説明会。

第二十二話

試験当日

 

第二十五話

凡人社に行ってみる。

第二十三話

養成講座探し

     
 
 第二十一話.日本語教育能力検定試験。

さ、もう日本。帰国してしまいました。日本語教師としてまだまだ未熟なMarty。何か、何かコレッ!というものが欲しかった。手っ取り早いのが、「日本語教育能力検定試験」。これは日本語教師のための試験である。似たような名前で、「日本語能力試験」がある。「日本語教育能力検定試験」との違いがわかりますか?
「日本語能力試験」は、受験生は日本語を勉強している人が対象。日本人は受験できないだろうなぁ(笑)。「日本語教育能力検定試験」は日本語を教える勉強をしている人・すでに教えている人が対象。つまりMartyが受けなければならないのは、「日本語教育能力検定試験」になる。
日本語を教えるに当たって、ある程度のレベルが必要だよね。で、そのレベルに達し、試験に合格すれば、あなたはそのレベルに達していますよ、ということになる。履歴書にも「日本語教育能力検定試験合格」と、堂々と書ける。でもこれは資格ではない。この試験に合格しなくても、日本語は教えることができる。諸先輩方々はみんな、日本語学校で教えながらこの試験勉強をしている。そりゃ、合格するに越したことはないが、合格したからって、逆に日本語をすぐ教えられるか、といったらそうでもない。過去問等、一生懸命勉強して一発合格できることもある。教えた経験がまったくなくても。だからこれは単なる目安の1つにしかない。それなのに、それなのになぜか、日本語学校の教師募集要項を見てみると、「日本語教育能力検定試験に合格したもの」という一行がついて回る。結局試験に合格できなければ職を得るのが難しいのだ。なんか、な〜んか理不尽。日本だけでなく、海外・・台湾やオーストラリアなどの日本語学校でも、この条件をだしている。これはやっぱり受験すべきなのね。

もちろん、これだけではないのよ。前にも書いたけど、日本語教師になるには以下のいづれかに当てはまればいいのです。簡単に書くと、
・日本語教育能力検定試験に合格した者。
・大学で日本語教育を専門的に勉強し、卒業した者。
・日本語教師の養成講座 420時間を終了した者。
・上の条件と同等の知識がある者。
「日本語教師になるには・・・」といっても、日本語教師には資格が、ない。上記の項目に、どれか達していれば、教える能力があると認めますよ、ということだ。んで、手っ取り早いのが試験合格、ということになる。しかしこの試験、かなりのクセモノだった。
どんな情報雑誌をみても、この試験の合格率が毎年17〜18%。う〜ん、低いッスね。矢野先生はいつも、「日本語教えられるなら、全員合格でもいいんじゃないの?そうね、合格しなくてもいいから受験だけしてもらえればいいや。」こんな調子で言っていた。そんなにクセモノなの?
ま、日本の受験システムそのもの、ということらしい。つまり、前年の試験問題より今年は難しくしなければならない。来年はさらにもっと難しく・・・・といっているうちに、本来覚えなくてはならないことから大きく外れてしまっている、というのだ。いわゆる「落とすための試験」。矢野先生ももう、カナダに移民してずいぶん経つ。考え方もそちら風になってきているから、そんな意見も出たのかもしれない。北米では、受からせるための試験方法。アジアでは落とすための試験方法。根本的に違う。
でもそんな矢野先生もちゃっかり3回目にして合格してました。

しかしそんな試験も来年あたりから変わるとのこと。まだ移行期間なのできちんとした骨組みは出来上がっていないようだが、これからは筆記試験だけではなく、実技試験も受けなくてはならなくなるようだ。ふんふん。試験は大変になるけど、この方法はいいと思う。試験が実際の現場に近づいたような気がした。そんな情報を得、日本語教育というものはまだまだこれからなのだ、と思った。

そしてちょっと好奇心もあり、この試験を受験してみた。
カナダから帰国する前に、受験票は親に頼んで申し込んでもらっていた。でも帰国後1ヶ月の間、自分の居場所もなく、バタバタしていて勉強どころじゃない。でもどんなものか、とにかく傾向を見たくて受験してみた。

 
 
 第二十二話.試験当日。

試験会場は大都市に集中している。Martyの妹が西東京に住んでいるため、そこへ前泊して試験会場へ行った。Martyの実家は福島県の会津。ここから試験を受けにくることを考えたら、妹の存在はありがたかった。しかし、東京は何箇所も試験会場があるのに、東北にはないの?東京か北海道だなんて。せめて仙台あたりにあれば随分楽になるのに・・。受験票を見ながらそう考えていた。そうそう、しかも、受験資格の1つに、海外では受験できず、受験日には日本にいる事が必須条件。どうしてだろう。日本以外でもこの試験を受験したい人はたくさんいると思うのに・・・・。
ま、今回はどんな試験か見てみたい、ということだったので、そんなに緊張もなく試験に臨んだ。
会場へ行く電車の中で、Martyの前の席に座っていた女性がなんやら一生懸命本を読んでいる。ちらっと覗いてみると、日本語がなんとか・・・と書いてある。きっとこの人も受験するんだろうな、と思った。試験会場に近づくにつれ、受験生と思われる人がいるわいるわ。と同時に、色々な日本語学校からきたと思われる、養成講座の案内や通信教育のパンフレットなどを配っている人たちも、いるわいるわ。「試験直前チェックポイント」なんて、小さな試験問題を配っている学校もあった。試験の教室へ入ると、これまたすごい人。ほとんどが女性かと思っていたが、そうでもなかった。もちろん2〜30代の女性は多かったが、意外と50才代の男性の姿がみられた。自分の席に座った時、自分の目の前の席に座った女性が、あの電車の中で見かけた女性だということに気づいた。周りの雰囲気は、若い女性が多いせいか、思ったほど暗くない。
さて、試験開始。「筆記試験T」、昼食後「聴解試験」、そして「筆記試験U」という流れになっている。この試験、9:40からお昼をはさんでなんと、16:50まで。長いよねぇ。早く問題が解けた人は、決まった時間内に退出してもよい。きっとMartyも、問題が解けなくて早めに退出するんだろうな、早く帰ってまた妹とうまいビールでも・・・なんて考えていた。と・こ・ろ・が。
時間が足りない。こんだけあって、足りないのだ。聴解問題はいいとしても、筆記試験Tではやっと見直しができるほど。筆記試験Uでは、見直しもできず、最後の記述式問題でさえ途中になってしまった。退出する人はほとんどナシ。何が早く帰ってビールでも・・・だ。それだけに、悔しかった。久しく試験なんて受けてなかったということもあったが、もう少し時間配分を考え、試験慣れしておけばもう少し何とかなったんじゃないか、とも思った。そして最後に思ったことは、この試験、勉強すれば合格できる、ということ。(・・・当たり前?)ぬぅ〜。今度は食ってやる。
今回は勉強をしていなかったため、まったく「勘」に任せた問題もあった(例えば音声学ー音声記号なんてわっかんなーい)。ということは、勉強して暗記できることはして臨めば、その問題に関しては点が取れるわけだ。あとは実践で身についていることを試験で出せばいいだけ。となるとやはり養成講座での勉強が必要になるのかな・・・。試験のための講座、という意味がわかったような気がした。でも、試験のための講座?何のための試験?
悔しい思いと、次回、一年後の試験に対する思いとが混ざり合った気持ちで試験会場を後にした。
次の日にはインターネット上に解答がでていた。自分で答え合わせする。
うひゃひゃ。6割いってないんじゃない?
でもこれで心が決まった。次は日本語教師の養成講座探し。どこがいいかな。

 
 
 第二十三話.養成講座探し。

まず、インターネットで日本語教師の募集を見てみる。丁度4月からの新学期に向けて、新しい日本語教師を募集している学校がたくさんあった。日本だけでなく、海外にもたくさんある。Martyは、今、どんな日本語教師が求められているのかが知りたかった。条件や経験等を知り、それに合わせて自分が何をすべきかを決める。
色々見ていくと、やはりあるある。
「日本語教育能力検定試験合格者」
「420時間の講座修了者」
「4大卒・講座修了者・有資格者」・・・
こんな文字がほとんどだった。養成講座を受けなければならないのは、もう必至なんだなぁ。どんな学校がどんな講座を持っているのか、どんな特徴があるのか、こればっかりは説明を聞きに赴き、学校の様子を見ないことには決められない。はぁぁ、どこがいいんだろう。田舎には1校もなかった日本語学校だけど、都会には100校近い学校がある。一体どこから探し始めればいいんやら・・・。と、まだぼーっと募集のページをスクロールさせていたその時、1つ、目にとまった学校があった。そこにはこんな文字。
「非常勤講師募集。4大卒、検定合格者が望ましいが、資格より実力、熱意を重視」
はっ。これだ。ここだ。イマドキこんな学校があるんだなぁ。でも、今のMartyにとって、とってもうれしい言葉だ。これがその後、講座を受講することになった、「JET日本語学校」の第一印象であった。この時は学校名だけ頭にいれ、また募集ページにもどり、色々考えふけっていた。いっそのこと、台湾に留学して、勉強しながら日本語を教えるってのはどうかな・・。矢野アカデミーの上級講座で一緒だった台湾人の戴さんはもう台湾に戻っているはずだし・・。
このころ、Martyは「台湾」という国に興味をもっていた。カナダで台湾人と知り合うことが多く、本などでも台湾のことを知り、Martyの中でぜひ行ってみたい国、第1位になっていた。日本と台湾に国交がない、と聞けば、なおさら行きたくなる。
そんなことを考えながら、ふっ、と「JET日本語学校」を思い出し、ホームページを探し、そのページに行ってみた。すると、この学校でも日本語教師の養成講座を持っていた。丁度4月開講の受講生を募集中だった。ふむふむ、どんな学校なんだろう、と学校概要などを見ていく。校長先生は若いぞ。駅のまん前にあるんだ・・。でも横浜からじゃ遠いかなぁ・・・。・・・・おやっ?おやおや?この学校の初代校長先生って、「金美齢」?!
知る人ぞ知る、「金美齢」大先生がここの初代校長だった。
ここで、普段ボケボケのMartyの頭が、さくさくっと働く。「金美齢」は台湾人。ということは、この学校は台湾人の学生が多いということ?ということは、台湾と縁がある、ということ?ということは、台湾の情報を色々教えてもらえる、ということ?ということは・・・?
ここの講座を受けるしかないでしょう。はいっ、決まり。

 
 
 第二十四話.説明会。

どうやら、養成講座の説明会を行なっているらしいので、早速電話で申し込みをする。説明会は何回かに分けて行なわれているようなので、一番最初の日をお願いした。
そして当日。板橋駅のまん前と聞いていたが、ほんとに前だ。これは通うのに便利だわ。傘嫌いのMartyには雨の日の心配がないね。立地条件は気に入ったわ。
なかなかきれいなビルだった。自動ドアをくぐるとすぐ左に、留学生の大学進学先の一覧表が張り出されていた。ここは留学生の進学を支援している学校なのだろうか・・。そして3Fの事務所へ向かう。夕方近くだったためか、学生の姿はまったく見当たらない。事務所へ行き、私が何者か告げる。するともうわかっていた、とも言わんばかりに出迎えてくれた。その顔には見覚えがあった。確か、校長先生・・・。ま、校長先生自ら出迎えてくださったのね・・・。中へ入る。・・・・他の受講希望者らしい人の姿はなく、どうやら今日は私1人らしい。ふむふむ。これは考えようによってはラッキーかも。
そしてお互い自己紹介し、校長先生が学校の特徴など説明してくださった。
・この学校は東京都知事認可の学校法人であること。
・「文部省指定準備教育機関」であること。
・台湾との縁が深いこと。
・学生の特徴は、みんなまじめで素直な子ばかりだということ。・・・丁度このころ、酒田短期大学のことが話題になっていたため。
などなど。「文部省指定・・・・・なんとかかんとか」ってなんだろう。都知事認可の学校法人ってえらいのかなぁ・・。このときはあまり良くわからなかった。

そのうち、養成講座担当の先生2人が加わり、3対1での説明会になった。こんな私ごときに3人も先生が集まってくれ、色々と説明してくださった。ありがたかった。
Martyも、カナダでの勉強、この学校に興味をもった理由等、色々、いや、ベラベラしゃべった。とてもいい雰囲気で、気さくな印象だった。
よく聞いてみると、この学校での養成講座は今回初めてとのこと。となると、Martyは第一番目のお客様、ということかな(笑)?
今「養成講座」といったら、「420時間」と来るのが当たり前になっているが、ここではその半分の230時間・6ヶ月のコースを設けていた。これは「理論」よりも、「実践」に重点を置いているからだ。例えば、「検定試験には合格したが教え方は知らないので訓練を受けたい」・「理論は他の養成講座で学んだが、実習が不十分なので教える自信がない」等、とにかく実際に教える訓練をさせてくれる。Martyの場合、カナダで養成講座は受けたし、教えてもいたが、まだまだ訓練が足りなかった。しかもカナダでは一対一の授業だったので、クラス単位の授業は想像がつかなかった。更に、とっても大事な教授法。「日本語を日本語で教える」ということを学びたかった。そう考えると、今のMartyに足りないものを補える、丁度いい講座だった。・・・・1年間勉強するのは長いし、お金もセーブしたいしね。
もしかしたら、講座終了後、研修を兼ねて働かせていただけるかもしれない・・。Marty次第だけど。
ただ、ここでの養成講座が初の試み、ということがちょっと気になった。ちゃんと教えてもらえるのかな・・・。大丈夫かな・・・。そんな不安もあった。
昼と夜のクラスがあったので、もし行くとしたら昼間のクラスかなぁ、とか、バイトをしながら通えるかなぁ、とかおぼろげに考え始めていた。
まずは資料をいただいたので、しばらく考えてみよう。

*「文部省指定準備教育機関」
・・・・日本の大学へ進学する場合、12年の学校教育を受けていることが条件。でも、香港やマレーシア・中南米諸国などでは、12年に満たないで高校を終了する場合があるため、制度上、日本で進学することができない。しかし、文部省から指定を受けた準備教育課程(例えばこの学校)を卒業すれば、受験資格が与えられる。日本全国でも12校しかない。
そのためこの学校には、日本語のクラスだけではなく、数学・英語・世界史・理科のクラスもある。

 
 
 第二十五話.凡人社に行ってみる。

これはネイティブアートか?「凡人社」とは、日本語教育関係の書籍・雑誌・教材等を扱っている本屋である。日本語を勉強している人・日本語を教えている人にはとってもありがたい本屋。教科書・問題集・文法書・教材・辞書・日本語に関する書籍・・・・様々なものがある。是非一度足を運んでみたらいい。

その日は、実は初めて「凡人社」に行った日だった。カナダにいた時から、この本屋の名前は知っていたが、実際行くのは初めて。地下鉄を使い、地図を見ながらたどり着く。中へ入ると、日本語教育関係の本だらけ。すごいなー、と思った。お客さんの国籍も様々で、日本語を勉強しているだろう、と思われる外国人がたくさん見られた。フロアをタラタラ見て回る。一番奥に、日本語教師の募集広告がズラリと貼ってある。ふ〜ん、ここでも探せるんだ・・・。ほほう。ここで色々イベントをやっているんだなぁ。面白そうじゃない・・。ん?んん?今日もこれからイベントがあるぞ。しかも無料じゃない。あっらー。養成講座の選び方だって。なんてタイムリーな内容なの!ラッキー。
そんなんで、ちゃっかりそのイベントに参加した。実はこのときはもう、「JET日本語学校」での養成講座の受講を決め、申し込みをした後だった。授業で教科書が必要とのことだったので、「みんなの日本語」を買いにきたのだった。
イベントの時間になり、本屋の後ろのこじんまりとしたところに集まり、始まった。凡人社の社長さんと、ある日本語学校の経営者兼日本語教師である男性とで、色々話を進めていく。
非常に面白かった。ホントに無料でいいの?って感じ。養成講座の選び方だけではなく、今の日本語学校の現状、留学生の現状も交えて盛りだくさんなお話だった。
内容を箇条書きにしてみましょう。(順不同・自己流でまとめた)

1.日本語教育の現状
・今は10組に1組が国際結婚。子供の日本語教育が必要。
・留学生の60%は中国人(台湾・香港含む)。さらに%がアップする可能性大。
でも韓国人の学生は減る傾向にある。
・海外シフト・・海外の日本語学校では女性が活躍。
・日本の大学では日本人の学生が減ってきている→留学生を取りにかかっている。
・「経験がないから職がない」はウソ。その気があれば大丈夫。 
2.養成講座
・今や、4年生大学卒だけじゃだめ。さらに上へ。
・「420時間コース」も変わり、制限なくなった。・・特徴ある講座へ。
・「検定試験」は内容は大学程度。でも資格は高卒程度だった。
・シニアの人が受講するとき、ベテラン先生の言うことを聞かない傾向にある。
→白紙にして1から勉強。
・養成講座の特徴をつかむ。誰に教えるのか。どの国に行きたいのか。
・日本語の先生=英語に弱い・機械に弱い・数学に弱い・・・講座に入れるべき?
3.日本語学校
・株式会社の日本語学校はいつかなくなる。
・10年以上の歴史がある学校だったら大丈夫。
・教科書を持っている学校もOK。

などなど・・・。これらは、そうなっていく可能性もあればないかもしれない。でもこういう傾向にある、ということだった。もちろん、全部の日本語学校に当てはまるわけでもないし、たまたまその学校がそういう傾向にあるのかもしれない。でも、何にも知らなかったMartyにとってはとてもいい勉強になった。話を聞きながら、すでに受講を決めた「JET日本語学校」と比べてみたが、問題なさそうだった。他のページにも紹介されてるよ。
「株式会社の日本語学校」ってなんだろう。JETは学校法人だったなぁ。財団法人ってものあったような・・・。何がどう違うんだろう。でもとにかくJETは学校法人だし、15年の歴史もあるし、大学進学の留学生が増える中で、ちゃんと指定校にもなっているし、どうやらよさそうだな、と再確認できた一日だった。 

ちょっと紹介しちゃうわ:
最近「日本語教師になるための本 2003」(イカロスムック)がでた。日本語教師を目指す人たちにとってこの手の雑誌は必需品。今回、この中の「私の好きなこの先生」という巻頭カラーのコーナーに、「JET日本語学校」の先生が載っています。養成講座も担当されています。

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