バンクーバー

日本語教師JTO 担任編6

 

第百六十二話

そろそろお別れ会。

     

第百六十三話

学生、遊びに来る。

     

第百六十四話

卒業式。

     
 
 第百六十二話.そろそろお別れ会。

2月の下旬ともなると、もうボチボチ気分は卒業。特に韓国の、大学を休学してきている学生は3月から大学が始まることもあって、ほとんどが2月で帰国してしまう。だから2月末はお別れ会と称した飲み会が連日開かれた。

あるクラスでは学生の家にお邪魔して、ポットラックパーティ。
みんな自慢の料理を作った。JTOはパン焼き機で作ったパンを持っていった。そして食った。飲んだ。そして食った。飲んだ。そしてゲームして遊んだ。

あるクラスでは普通の飲み会だったのだが、日本人の大学生も何人か参加していて、まるでサークルの飲み会のような雰囲気だった。いや〜ッ。この年で大学生と飲み会ができるなんて、思ってもみなかったわ。実は年末にも飲み会があって、そのときも大学生が参加していたんだけどね。
うひょひょ。たまにはいいねぇ。

 
 
 第百六十三話.学生、家に遊びに来る。

「先生の家に遊びに行きたい〜。いつ、いいの?」
と、前々から言われていた。引っ越す前は義理の両親と同居していたし、5人も入れないくらい狭い家だったからずっと断っていた。しかし、今回アパートに引越し、その問題も解決したので、学生達を招くことにした。
来たのは台湾人の学生10人ほど。
まず、駅まで迎えに行く。時間通りに着いた。ほとんどがJTOが教えた学生だったが、1度も教えたことがない学生も混ざっていた。
みんなそろったところで、駅前で昼ご飯を食べた。最初は何か作ろうかと思っていたんだけど、大変だから、とみんな気を使ってくれて、ファミレスで食べることになったのだ。
その後JTOのアパートへ向かう。ぞろぞろ・・・・。何かの団体旅行客のよう。
ちょっと心配だったのは、大勢で騒いで、近所に迷惑にならないかな、ということ。JTOのアパートは木造の築14年のアパートだけに、隣の声や下の階の話し声までも聞こえる。ということは自分たちの声も聞こえてるはず。そのあたりを最初に伝えておいた。
ここでもみんな気を使ってくれて、小声で話してくれた。ある学生がエスカレートして大声で笑ったときはみんなで「シ〜ッ!」といってくれて・・・。・・・なんか申し訳なかったな・・・。くつろげなかっただろうな・・。
この日来た学生のほとんどが帰国、もしくは専門学校に進学する学生たち。特に帰国する学生にはもうなかなか会えないだろう。
まだ日本にいる学生も春休みには一時帰国する。実は3月20日、台湾で総統選挙があるのだ。みんな、そのために帰国するといっていた。
選挙のために、よ。
ちょっと、日本人、見習わなければならないんじゃない?
確かに自分たちの国が変わってしまうかどうかの重要な選挙。自分たちの一票が大切なんだ、ということがわかっている。
今回JTOの家に遊びに来た学生達の支持する政党は決まっていた。みんな同じだった。
日本にとってもこの選挙は実は需要な選挙。これで日本の方向性も変わるかもしれないからだ。

そろそろ帰る時間になり、駅まで送る。
「先生、春休み、暇でしょ?台湾に来て!わたしの家に泊まる。大丈夫!」
みんな、うれしいよ〜。もちろん台湾に行ってみたいよ〜。
でもこのときは、学校でのちょっとした事務の仕事もあったし、ちょっと無理、と断った。
確かに学生が現地にいるうちが一番いいのは知っているけどね・・。そのうちツアーで行ってみよう、と考えていた。

と・こ・ろ・が・・・!
急遽、台湾へ行くことになるなんてこの時は思ってもみなかった!!

 
 
 第百六十四話.卒業式。

3月になり、卒業式が近づいた。
JTOのクラスはほとんどがそのまま残って中級クラスへとアップしていく学生だったので、特にお別れということはなかった。卒業式の前の日などはほとんど授業はしない。ビデオをみたり、どっか行ったり・・・。
JTOのクラスではビデオを見た。
北野武の「菊次郎の夏」。
初級が終わりかけのクラスだったが、これ、なかなか笑え、評判よかった。前もってスクリプトも作り、それを見ながらみんな楽しんでくれた。
でも、その前のタームで教えたクラスの学生たちは帰国や専門学校への進学など、卒業してしまう。・・・・JTOがはじめて担任になったクラス。その学生が今、まさに卒業していく。
もう、なんともいえない気持ち。
うれしさ半分、寂しさ半分。そしてこれが毎年繰り返されていくんだね・・・。
JTOは、3月に入ってからというもの、卒業関係の音楽を聞きながら学生と重ね合わせ、1人涙を流していた。学生の顔を思い浮かべ、いろいろあったな・・・と思い出し泣き?をしていた。

卒業式当日。
JTOは最初からハンカチを握っていた。1人1人名前が呼ばれ、校長先生から証書を受け取る。もう涙腺ゆるみっぱなし。目の周りが真っ赤になってしまい、超ブサイクな顔になっていたJTO。
でもいいね。こういう瞬間の涙、っていうのは最近味わっていなかったな。

こうして1つの学期が終わった。
このころには次の学期の時間割が決まっていた。
JTOはまたまた初級。しかも今回は一番下のクラスの担任だ。・・・ムムム。大丈夫かな?せめて「あいうえお」だけはできていてほしいけど・・・。これが何人かはできてないんだなー。
一番下、ということは、やるものはもう決まっている。
「みんなの日本語」の最初から。
ふっと思うと、「みんなの日本語」はこれで4回目だ。ふり返ると最初に比べてずいぶん余裕がでてきたものだ。で、この余裕が曲者になるかもしれない。自分の経験上、慣れてきたときに失敗する。ここはもう一度、初心にもどらなきゃ。
あともう1つ、上級クラスも受け持つことになった。上級クラスは初めて。ちょっと・・・いや、かなり不安。これからこのクラスの担任の先生と色々打ち合わせをしていく。
がんばるぞ。

JTO担任編7(2004.4〜)へ

 

 
当サイトの内容を参考に行動して、あなたに不都合が生じても一切責任は負いません。

Copyright (C) 2000-2014 バンクーバー暮らし方 編集室 All Rights Reserved