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日本語教師JTO 担任編8

 

第百七十四話

先輩先生の結婚式!

 

第百七十七話

夏休みの会話クラス。

第百七十五話

花火大会。

 

第百七十八話

10月からの授業。

第百七十六話

スピーチコンテスト。

 

第百七十九話

新入生のお迎え。

 
 第百七十四話.先輩先生の結婚式!

養成講座から普段の授業にいたるまで、本当にお世話になっている先生が、このたび、結婚することになった。いつも迷惑をかけてばかりなので、何か恩返しができないかな・・・。
この先生の結婚式のスタイルは神前式。というのも学生たちを招待できるのはこのスタイルじゃないと難しいとのことだった。
感動!学生にとってみたらこんな神前式の結婚式なんて普通、見られないもんね。すんごくいい経験になるはず。そのためにこの先生は神前式を選んだ。最高の授業だね。
夏休み直前だけに、とても暑い日だった。
JTOは自分のクラスの学生たちと待ち合わせして、一緒に行った。さすが、みんないつもと違ってちょっとおめかしして来てて、かっこよかった。JTOもちょっぴり正装。
神社に着くと、ちょうど先生が白無垢を着てお披露目するところだった。
・・・・あ〜、こんなの見たら泣いちゃうよ〜。とてもきれいだった。
こういう日って、花嫁さんが主役になっちゃうよね。、先生のまわりにはデジカメやらビデオやら、携帯カメラを持った学生たちが山のようにおしかけ、バシバシ撮っていた。まるで芸能人のインタビューみたい。

そして式が始まった。
JTOは神前式は二回目だけど、前回とは比べ物にならないくらい大きい神殿でびっくりした。ご家族、ご親戚、学生と、みんな合わせたら100人以上いたと思う。
みんな厳かに神殿に入場し、椅子にすわる。音楽は生演奏。巫女さんが花をもって踊り、鳥のような格好をした人も踊り、とてもいい雰囲気だった。最後にお神酒を飲む。学生たちは緊張した面持ちでグビッと飲む。が、あまりおいしくなかったようで、みんな顔をしかめていた。

式が終わってから、またもや撮影タイム。
学生にとっても、JTOにとっても、本当にいい経験ができた。
先生、ありがとうございました。そして、おめでとうございます!!

その後は、先生は親戚だけと披露宴があるので、学生たちとJTOは解散。でもこのまま帰るのはもったいない!学生たちと、カラオケ・居酒屋へ行き、大騒ぎしました。

 
 
 第百七十五話.花火大会。

毎年恒例の、花火大会の日がやってまいりました。
毎年毎年、浴衣を着る学生はいるが、それが年々増えてきている。ユニクロなどで超激安の浴衣を販売しているものあるからね。今までだと、授業が終わってから自分たちだけで着付けをするのはとても時間がかかっていた。が今回は着付けをしてくれる人が何人かきてくれ、ドンドン浴衣姿の学生たちができあがっていった。
JTOも今回、浴衣を準備。JTOは貧相な胸・・・貧乳だからこういう着物ってあんまり似合わない・・・。でも着付けをしてもらい、なんとか形になった。

浴衣を着て、電車に乗り、会場へ。もう花火見物の人でごったがえしていた。
出店で高い焼きそばとかソーセージとかを買って、河川敷まで移動。適当な場所を見つけ、学生と座った。そして花火開始!
自分たちの頭の真上にあがるもんだから、首は90度反り返る。風向きが怪しく、打ち上げた花火のカス、っていうの?黒いススが、火がついた状態で降ってくる。
みんなキャーキャー言ってたけど、こんな間近で花火をみたのは始めてだったらしく、写真を取りまくっていた。
「先生、とてもきれいですぅ〜!すごいです!!」
うん、よかった。

花火が終わり、ゲロ込みの電車に乗って帰った。

 
 
 第百七十六話.スピーチコンテスト。

夏は色々とイベントが多い季節だ。またしても恒例、スピーチ大会の日がやってきた!
スピーチコンテストはもう2カ月ほど前から始まっていた。
1クラスで1〜2人ほどの候補者を選ぶのだが、JTOのクラスは最初、5人が手を上げた。・・・普通、スピーチなんてやりたくないものだと思うんだけどなー。・・・確か去年も「出たい出たい!」と学生が言い、何人かから選んだっけ。
とにかく、出たい学生にはスピーチしたいことをまず、書いてきてもらうようにした。そこで5人のうち2人挫折。残った3人の中から2人選ぶことになった。
クラス内でスピーチコンテストを行い、他の学生に選んでもらうことにした。そして2人、決まった。
それからは今日のコンテストのために毎日練習をしてきた。
「先生、これに録音しますから、私の原稿を読んでください。」
発音やイントネーション、プロミネンスなどを確認したいらしく、録音できる機械を持ってきた。JTOは快く引き受け、録音してあげた。・・・でも自分の声って、恥ずかしいんだよね。それを毎日毎日聞いて練習する、と言った。実は上級クラスの学生にも同じことを頼まれていて、録音をしてあげた。この学生の担任ではないけど、頼ってきているのを断るわけにはいかない。
さすが上級だけあって、内容も、発音もよく仕上がっていた。初級の学生は上級の学生には到底かなわないけど、初級には初級なりのスピーチができる。がんばって!!

そしてコンテストが始まった。
みんな、色々と仕掛けを作ってきたり、他の学生に出演してもらったりと工夫してくる。
その中で一番印象に残ったのは、前出の上級クラスの学生のスピーチだった。
彼女は漢字についてスピーチした。韓国人の彼女にとって漢字はなかなか難しい。その漢字を勉強するとき、日本人も受験する「漢字検定」を目標として勉強してきた、という。そしてその漢検の結果が、今まさに彼女の手元にあるじゃないの。本人もまだ結果がわからない。スピーチを終え、はさみで封を切る。
結果は・・・・見事、3級合格だった。とても素敵なパフォーマンスだった。おめでとう!

JTOのクラスの学生のスピーチもとてもよくできた。
賞はもらえなかったけど、高評で初級には思えないくらい上手なスピーチだった、とほめられていた。JTOも自分のことのように嬉しかった。
今回のコンテストでの1位は、あの、上級クラスの彼女だった。

コンテストが終わってから、クラスのみんなと一緒に近所の台湾料理の店へ食べに行った。
この店、とても安くておいしい。誰か一人台湾人の学生を連れて行きさえすれば、もうおまかせ。たらふくおいしい料理が食べられた。幸せ・・・。

 
 
 第百七十七話.夏休みの会話クラス。

7月からの短期の学生が、夏休みに入っても続けて勉強する、ということで、JTOもそのお手伝いをすることになった。内容は、とにかく会話。2週間・・・正味10日間の授業でこなれた会話の勉強をする。といっても、7月から来た学生なので、重要な文法もまだ入っていない状態。でもそれも会話をしながらやっていこう、ということになった。10日間を3人の先生で担当する。
この夏休み会話コースの学生たち、とてもおもしろい。
短期なので、夏休みを利用してきた大学生やビジネスマンなど、年齢も職業もバラバラだ。
この中に一人、とても気のいいおじさんがいた。いつもTシャツに短パン。40代だろうか・・。でも心は10代くらいだった。クラスの雰囲気を盛り上げてくれ、会話の内容もおもしろおかしくしてくれ、とても和やかな授業ができた。
しかしこの短パンのおじさん、実は社長だった。・・・わっかんねー。
彼の日本滞在は短い。勉強もするし、たぶん仕事もしている。それに観光もしたい。これを全部やっていた。
ある日休み時間に学生が集まってなにやら見ている。「何かな?」と思い、見てみると、それはビデオカメラだった。先日遊びに行ったときの映像をみんなに見せていたのだ。
「どこに行きましたか?」
と聞いたら、
「ヘリコプターで夜景を見ました。」
というじゃない。
・・・確かにバラバラバラ・・・・という音とともにきれいな東京の夜景が映し出されている。
JTOは下世話な質問をしてしまった。
「何分でいくらでしたか?」
「ダイヤモンドコースが15分で18,000円、パールコースが15分で12,500円です。わたし?もちろんダイヤモンドコースよ。とてもきれい!とてもきれいよ!」
とてもよかったらしい。
これだけじゃない。
週末箱根にいったらしい。旅館の名前はわからないが、とにかく1泊40,000円のスイートに泊まったという。・・・・社長、お供いたしますわ。
あっという間に終わった会話クラスだった。

 
 
 第百七十八話.10月からの授業。

10月からのタームのことなどについて会議があった。
いつもしていることなのだが、今回は少し違っていた。というもの、10月からタイからの国費留学生が20人来ることになったからだ。
今までタイ人はいたがとても少なかった。そして彼女らの勉強、生活などをずっとみていて、事前に色々準備しなければならないことがあったのだ。
たとえば漢字。
非漢字圏の学生にどうやって漢字を教えるか。詰め込めばいいのか。いつから教えるべきか。
そのほかに進度。
この20人の学生たちは全員進学予定。つまり10月からの半年で「みんなの日本語」をすべて終わらせ、プラスαのこともして、進学準備のクラスのいれなければならない。
・・・・そう。この学生たちは全員日本語がゼロなのだ。
このため入念にカリキュラムを組まなければならない。その打ち合わせも必要だ。
自分の国でどのくらい日本語を勉強してきてくれるかが問題だった。
でもこればっかりはプレースメントテストをしてみなければわからない。
全員「あいうえお」からかもしれない。でも初級ということは確かだ。
そしてJTOがまたもや初級の担任になった。
今回は初級クラス担当の先生方と打ち合わせをたくさんしなければならない。タイの学生を2クラスに分けるから、進度も同じにしなければならないし、テストの日も同じ時間にしなければならない・・・・。
・・タイの学生は全員学生会館に入るので、情報は筒抜けになるだろう・・・。
など、色々あった。

このためにタイ語ができる先生も新しく迎えた。
はたして、どうなるのかな・・・。

 
 
 第百七十九話.新入生のお迎え。

9月も終わりに近づくと、10月からの新入生がゾクゾク日本へ来る。その学生たちのお迎えも仕事の1つだ。
JTOはその日は、台湾からの女性を池袋に迎えに行き、寮まで送り届けることになっていた。
成田からリムジンバスで池袋のメトロポリタンホテルに着くが、この日は・・というよりいつも渋滞で、かなり待たなければならなかった。結局2時間遅れで到着した。
JTOは彼女の名前の書いてる紙をカバンから取り出し・・・・・というところで、彼女の方が気づき、きてくれた。彼女は英語ができたので、かたことの日本語と英語でずっとおしゃべりしながら寮へ送り届けた。気づくと、スーツケースがない。どうしたのか、と聞くと、宅急便で送った、という。
ラクでいいね。
半年前もJTOは香港からの学生を迎えに行ったことがあった。そのときはみんな大きなカバンにスーツケース、しかも雨で、大変だった思い出がある。階段はのぼれないからエレベーターかエスカレーターを使うしかない。でもそれがない駅もある・・・・。
それに比べたら今回は本当にラクだった。

JTOはその2日後、別の新入生の手伝いに行った。例のタイ人の学生だった。
バスは成田から直接寮へ行くので、JTOは寮へ行き、その日しなければならない外国人登録などの役所の手続きのお手伝いをすることになったのだ。
寮へ行く前に1つ、仕事があった。それは傘を買うこと。
20人分の傘を買ってきてくれ、といわれ、100円ショップでゴッソリ買った。在庫がなくなってしまった。この日は台風が来ていて、大雨だったのだ。そして、タイ人の学生たちは、傘をもっていなかった。
聞くところによると、タイの人たちは、自分が出かけるときに雨が降っていなければ、持って行かないんだそうだ。折りたたみ傘?こんなの、持つわけがないらしい。
こんなんで、JTOは傘を20本持って寮へ行った。まだ雨が降っていた。傘をこんなに持っているのにJTO自身、さすことができなかった。
そして寮へ到着。
学生たちはみんなお弁当を食べていた。JTOは少しドキドキして遠くから見ていた。
・・・・みんなまだ18歳。しかも日本人の18歳より、とーっても若い・・・いや、子供だ。そんな印象を受けた。この中の、誰がJTOのクラスになるんだろう・・・。どんな子たちなんだろう・・・。ワクワクした。

お昼を食べてから市役所へ登録に行くのだが、市役所まで歩いて20分くらいかかる。20人も引き連れて歩いたら30分かかるだろう。20人分の登録となると、役所でも時間がかかるだろう。
だから役所へ電話をかけ、確認取ってから出かけた。このときすでに4時近く。役所って何時までだったっけ?
道すがら、何人かの積極的な学生が話しかけてきた。少〜し、勉強してきたみたいだ。それを試したくてしょうがない、っていう感じだった。

役所に着いた。
ゾロゾロとタイ人が役所へ入る。まわりの日本人が少し珍しそうに見ている。
ここで問題発生。
学生たち、自分の名前のカタカナが書けなかった。名前だけは・・・と勉強してきた学生は書けてたが、それも数人。ほとんどが自分の名前がわからない。
「センセイ・・・。」
と呼ばれ、学生を手伝う。
たとえアルファベットで書かれていても、発音が違うから、自分で発音してもらって、それを何回も何回も聞いてカタカナにしてあげる。・・・・これが登録の名前になってしまうのか、と思うと、責任重大だった。もちろん、タイ語ができる先生もいたし、タイ大使館の人もいらっしゃってたので、説明などはタイ語で行われ、そのへんは大丈夫だった。
登録だけでは終わらない。国民健康保険の登録もある。
この意味もしくみもわからないまま事務的に進めていく。・・・・しょうがないよね・・・。

なんとか一通り終わり、寮へ戻った。
でも彼らには生活用品が何にもない。近くにスーパーはないか、などのやりとりが続き、とりあえずのものは近くのコンビニですませ、あした、みんなで買出しに行くことになった。
あさっては入学式だ。
学校までの道順も知らない。だからあした一度みんなで学校まで行くことになった。
あの埼京線のラッシュを体験させるのはかわいそうだったが・・・・。これで来るのがいやにならなければいいけど・・・・。

そんなこんなでJTOのお手伝いは終わった。

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