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バンクーバー

日本語教師JTO 養成講座編5

 

第四十四話

教育実習1。

 

第四十八話

誤用分析。

第四十五話

「ところ」「ばかり」。

 

第四十九話

花火大会。

第四十六話

「そう」「よう」「らしい」「みたい」。

 

第五十話

まとめのテスト2。

第四十七話

その他の表現。

     
 
 第四十四話.教育実習1。

とうとうこの日が来てしまった。避けては通れない教育実習。わかる?このヘンな緊張。
実習があるというのは、この講座が始まったときにスケジュールを見て分かっていたこと。やらなければならないことはちゃんと知っている。わかってる。なのに、やっぱり緊張するなぁ。でもMartyの場合、人前に立つのはまったく苦にならない。そういう緊張は、ない。友達の結婚式では自分から進んで歌を披露したものだ。実習と歌とどちらがいいですか、と聞かれたら、すかさず「歌」を取るかな(笑)。この「へンな緊張」というのは、なんていえばいいのかなぁ・・・・、こんな実習生が授業をして学生たちが理解できるのかな、とか、学生から見たら先生。なのにうまく説明できなかったらどうしよう、とか、そういったこと。結局自信のなさなのだ。自信を持つにはきちんとした教案を作ること。まずこれからだ。想像できることを想像し、細かい時間配分で教案を作る。イメージトレーニングする。こういったことをやっていく。
しかし、その前にもっと不安なことがあった。実習する日にちと内容がまだ決まっていなかったのだ(笑)。この週にしましょう、と言われたが、なかなか具体的な日程が決まらない。というのも、Martyが実習するのは文型の導入部分。教科書の進み具合でうまく導入に当たらないのだ。このまま実習が流れちゃったりして。なーんて不謹慎なことも考えた。
でもしっかりとお達しがあった。
「初級の、〜てしまいました。の導入からをお願いします。50分の1コマ分です。完了の〜てしまいました。は終わりましたので、遺憾の〜てしまいました。をお願いします。」
キターーーーーーーーーーーッ。
きちゃったよぉ。とうとう。しかも実習の日はすぐぢゃないの。しかもしかも、「〜てしまいました。」は、まだ講座で勉強してないぞぉ。次の週にやるところなのだ。教え方、知らんぞー。いやーん。できるかしら。

とにかく教案を仕上げる。こんなんでいいのかなぁ。ヘンだったら先生が直してくださるに違いない。先生、お願いします、と、できたものを養成講座担当の先生にチェックしてもらう。
「だいたい、いいんじゃないですか。」
あれっ?いいの?Martyはもっとあーだこーだ言われるのかと思っていた。ということは、後は当日のMartyのがんばり次第ということか。教案とおりにいけばね。

そして当日。教案では9:00に始まり、9:05までに「〜てしまいました。」に持っていくための前振りってヤツが終わることになっていた。「暑いですね。みなさん、エアコンありますか?」なーんてね。しかぁ〜し。
当日の朝、出席もとって下さい、と言われ、もうそこで教案通りに行かないことがわかった(笑)。出席をとる、という作業は、実はとても大切。でも学生の顔と名前が一致していないMartyにとって、意外と時間がかかる作業になってしまった。しかも電車が遅れたのかどうかしらないけど、遅刻してくる学生もおり、授業をしながら出席簿にチェックを入れる、ということが非常に難しかった。もう教案とおりにすすめなきゃ、と思っているMartyの頭はイッパイイッパイ。
でも肝心の授業のほうは、なんだかうまくいった。導入ー繰り返し練習ー代入練習と、習ったことをそのまま実践し、学生もきちんと返してくれた。やっぱり毎週毎週の小さな演習の効果があったんだね。あと教科書の練習問題をさせ、学生を前に呼んで黒板に書かせてみたり・・・・。動きを出してみた。実はこれは教案にはないことで、その場で考えて実行してみたことだった。学生もまんべんなく、ランダムにあて発表させたし、うん、うまくいったと思う。評価は、教室の後で見ていた2人の先生方にお任せして、無事、実習がおわった。

Martyがこの実習で1番頭に残っていることといえば、先出の出席簿。特に遅れてきた学生のチェック。チェックし忘れてはいないか、別の人のところにチェックしてないか、そんなことばかり気になっていた。出席簿って、なんだか見にくいんだもの。授業内容よりこんなことが気になっているMartyって、ヘンなのかなぁ。
そうして、つぎの時間、Martyの授業を見学していた先生からの評価がくだった。

先:「あのぉ。実習って、今回・・・初めてですか。」
M:「はい。」
先:「・・・初めてとは思えないですね。なんだかもう、すっかりなれている、というか・・・。いやー。」
・・・これって、誉められてるよね。うんうん。いいぞ。
先:「そうですね、もう少し導入部分でメリハリがあったほうがいいですね。」
・・・そう、これって、演習の時にもさんざん言われてた・・。いかん。まったく改善されていない、ということだわ。
先:「全体的にはよかったと思います。うん。合格点です。」
いやっほうー!
M:「ありがとうございました。」(深々とおじぎ)
ふーっ。とりあえず、第一関門突破。

 
 第四十五話.「ところ」「ばかり」。

実習が終わってから、すべてが終わったような感覚に陥っていたMarty。まだまだ勉強することはあるのよ。しかも、これから勉強することは基本的な文型と言うよりも、日本人でも違いを言えないような表現。これもまだ初級、っていうんだから、大変。だから逆に、初級の教科書2冊を終えたら、かなり言いたいことが言え、聞けるようになっている。

さて、「ところ」と「ばかり」。
「今、ご飯を食べたところです。」
「今、ご飯を食べたばかりです。」
・・・・・この2つ、一体何が違うんスか、って感じ。意味的には「ご飯を食べ終わってすぐ。」ということだよね。こんな表現、私たちは使い分けていたっけ?・・・・・確かに微妙に何かが違うような、そうでないような・・・。と、この授業の最初で悶々と考えていた。ま、授業で扱う、ってことはあきらかに違いがあるから扱う、ってことなんだけど、Martyが日本語を習っていてどーすんだ、って感じです。

まずは「ところ」。色々例文をだすと、ジワジワーッってわかって来ることがある。
「今からやるところです。」
「今、ご飯を食べているところです。」
「今、エアコンをつけたところです。」
「もう少しで死ぬところだった。」
「今から急いだところで間に合わない。」
最後の2つは初級では扱わないとのこと。初級では、最初の3つを扱う。
なるほど、これを見ると「場面」と言うことが分かる。
「今からやるところです。」
この文、もうやったの?それともやってないの?・・そう、「やるところ」というのは「まだやってない」のよね。こんな風にして導入すると言うことだ。

んじゃ、「ばかり」は?どれどれ。入れ替えてやってみようか?
「今からやるばかりです。」
「今、ご飯を食べているばかりです。」
「今、エアコンをつけたばかりです。」
日本語教師としての勉強にもなれてきたせいか、最近はこんな感じで入れ替えて違いを発見してみたり、その前の動詞の形の違いに注目してみたり、だんだんコツがわかってきた。
おやおや?最後の文だけ、意味が通る。ほかにも例文を考える。
「言ったばかりなのに。」
「こればかりは譲れない。」
「5人ばかり参加したいんですが。」
「言うばかりで何もしない。」
上記の「ところ」の意味や場面、状況と重ね合わせた場合、やはり最初の「言ったばかり」がしっくりくる。「直後」という場面になるよね。その他の3つの文章は初級ではちょっと難しい。

となると、最初の2つの文章、
「今、ご飯を食べたところです。」
「今、ご飯を食べたばかりです。」
に戻ってしまうが、「直後」という場面で考え直してみると、また違いが出てきた。
なんとなく「ばかり」のほうが時間的に長いような気がする。
「大学を卒業したばかりです。」という文章。これって卒業してから1ヶ月後でも言えるし、5年経っても言える。その状況によって言えちゃうよね。ふむ。
ばかり」はその本人がそう思ったら使えるようだ。話し手次第ってこと。

 
 第四十六話.「そう」「よう」「らしい」「みたい」。

はぁぁぁ〜。まだまだこんな授業が続く。授業はとても楽しい。楽しくて楽しくてしょうがないんだけど、毎回毎回、日本語の複雑さ難しさという壁にバンバンぶつかっている。よく今まで日本人として日本語をしゃべってきたなぁ、と思う(笑)。でも、だから、面白いんだよね。普段気が付かないことを、別の角度からみてみたら、あらま、そうだったの、と気づくのだ。しかも、台湾人のリンさんと一緒。外国人でなきゃ気づかないことも勉強できる。この講座はホントに面白い。

「このケーキ、おいしそうだ。」
「このケーキ、おいしいそうだ。」
「このケーキ、おいしいようだ。」
「このケーキ、おいしいらしい。」
「このケーキ、おいしいみたい。」
こんな表現、使ってるよね。色々使ってるよね。
これ、違いがあるってことだよね。だから講座で扱ってるんだよね。・・・・わーん、泣きそう。しかも、Martyって、日本語教師になりたいんだよね。1つ1つ、確かめていくしかない。

さすがにMartyだって、「おいしそうだ」と「おいしいそうだ」の違いは分かるもん。
「目」と「耳」−「推量」と「伝聞」。これは国語の時間にならったもん。でも「目」のほうの「そう」にもう1つ、「今にも倒れそうだ。」の「そう」がある。これはそれを見た瞬間にすぐ予想できる「そう」−「様態」という。実はこの「そう」だけでたっぷり2時間分の授業が用意されていた。しかも「推量」と「様態」の「そう」だけで。これは初級で教えなければならない表現だ。

そして「よう」「らしい」「みたい」。
確かにこれらも微妙に違いがあるのは感じる。感じるんだけど、何が、・・・こう・・・はっきり言えないっていうの?こんなんで授業に入るッス。・・・・カナダで勉強したんだよね。
ケーキの話題だったらそんなに大差ないような気がするけど、これが違った場面だったらどうなる?
例えば、体調が悪く、医者に言ったとき、
「どうやら肝臓が弱っているようですね。」
「どうやら肝臓が弱っているらしいですね。」
「どうやら肝臓が弱っているみたいですね。」
の、どの言葉ならいつもの言葉になる?そうねえ。Martyだったら、「〜らしいですね。」って言われたらなんだか信用できないような気がする。
そう、「よう」というのは「断定」。自分の判断がかなり入っている。
「らしい」というのは、根拠はあるけど、断定できない状況。
「みたい」というのは、話言葉だけど、感覚的で断定を避ける言い方。
これらはすべて「推量」なのよね。
こうして、それぞれの違いを勉強した。したんだけど、これらを教えるんだよね、わたし。
できっかな。
日本人に説明するのとはまったく違っていて、日本語を勉強している外国人に教えるんですよ。
わたし、わかってる?

例えば1つ例をだそう。
「よう」というのは、自分の判断がより強い。つまり、自分が判断する根拠となる素材がたくさんあり、それが決定力になっているとき、「よう」を使う。
「隣の部屋にだれかいるようです。」という例文だったら、「隣の部屋から何か聞こえる。」「声が聞こえる。」「話し声が聞こえる。」「自分は見ていない。わからないけど、隣の部屋にだれかいるようです。」
となる。これは「隣の部屋にだれかいるかもしれません。」という文になってはだめなのだ。そこが難しいところ。だから「〜かもしれません。」に絶対ならないような状況設定を提示してあげなければならない。・・・・この「状況設定」。この講座のモットーとしているところ。シチュエーションが大事だ。

授業見学に行った時、学生に早速「よう」と「らしい」の違いはなんですか、と聞かれた。答えられたけど、説明が簡潔ではなかった。これでは分かるものもわからないね。気をつけなくちゃ。

 
 第四十七話.その他の表現

その他の表現。
1.「〜はず。」
@「もう家に着いたはずです。」
A「あの人はお酒を飲まないはずです。」
B「あの人はもっと英語を話せるはずです。」
この表現はよく使う。この3タイプの「はず」、実はそれぞれ違う。・・・・気づいた?
「はず」って一体いつ使うんだろう、どうして使うんだろう、と考えてみる。
例えば、「彼女はパーティに来るはずです。」
この文章をちょっと考えてみると、彼女はまだパーティに来ていない。でも、来る、という何か根拠があり、このように考えたわけだ。例えばパーティ用のドレスを買っていた、とか、パーティ開始時間を聞いていた、とか。そうだったら、「彼女はパーティに来るでしょう。」とも言えるね。じゃあ、「〜でしょう。」と「〜はず」の違いって?「〜はず」のほうが強い?
「明日の天気は晴れでしょう。」と「明日の天気は晴れるはず。」を比べるとよくわかるよね。
天気予報では絶対前者を使う。
その他に、Bの例だったら、自分が聞いた内容と違う、という状況も出てくる。ツアー旅行に行き、その内容がパンフレットに載っていた内容と違っている。パンフには豪華なホテル。しかしいざ旅先で泊まるホテルを見たらそれはきったないホテル。このホテルのはずですが・・・。

2.「やすい」と「にくい」
@「このペン、書きやすいね。」
A「変わりやすい天気。」
B「歩きやすい道。」
C「ピアスって、なくしやすいよね。」
この中で、@とB、AとCが同じグループになる。どう違う?
@やBのような文章は、自分の気持ちがよくなる、快適になるときに使える。逆にAやCのような文章はそういうことがすぐ起きてしまう、可能性があるというときに使う。もちろん、この2種類をいっしょに導入してしまってはだめ。きちんと前もって分けておかなければならない。
「にくい」はこの逆にあてはまる。初級ではここまで教えることができる。
じゃあ、「にくい」と同じような表現で「づらい」と「がたい」があるけど・・・・・。
「使いにくい」「わかりづらい」「信じがたい」など。どれも似たような表現だが、ちょっと違う。
「がたい」は「信じがたい」とか「忘れがたい」など、ある程度表現が決まっている。これは「〜できない」といった、不可能の表現になり、少し硬い言い方になる。
「づらい」は、ものによっては使えない表現がある。例えば
「分かりにくい」「分かりづらい」・・OK
「間違えにくい」「間違えづらい」・・×
「腐りにくい」「腐りづらい」・・・・・・×
これって、実は動詞の種類によって違ってくる。

その他、「短くする」のような「〜くする」「〜にする」、「病院に行ったほうがいい」のような「〜たほうがいい」、「勉強するのが好きだ」の「のが」の表現。「こと」とどう違うのか・・・・・・。
など、まだまだたくさんの表現がある。これらは初級の後半、もしくは最後の部分で扱う文型になる。
いや〜っ、ほんと、改めて日本語って難しいよね。初級の後半になると、かなりいろいろな文章が言えるようになる。そのぶん、色々な間違いも起こしてくる。その間違いを分かりやすく、適切に教えることも教師の大事な仕事の1つだ。
次は学生がよくする「誤用」について見てみよう。  

 
 第四十八話.誤用分析。

日本語をある程度勉強してくると、たくさん勉強したがゆえの間違いを起こすようになる。逆に超初級クラスでは決まった文章しか言えないから、あまりそのようなことは起きない。というより、できない。
このように学生が起こす「誤用」を分析し、どうしてこのような間違いを起こすのかを勉強する「誤用分析」という授業。
「誤用」にはただ単に、言い間違えだけでなく、色々な種類がある。

・音声・・発音だって立派な誤用。「おばあさん」と「おばさん」、「切手(きって)」と「来て(きて)」などのいい間違いとかね。
・その音声と表記の誤用・・・これは昔、カナダでクリスティちゃんに教えていたときに強く感じたこと。 彼女は香港出身。香港の学生は、「〜しました。」といいながら「〜しますた。」と書いてしまう傾向がある。実はいまだにクリスティちゃんのメールは「しますた。」となっている。
・語彙面・・・典型的な例として「年をとっている人」を「古い人」と言ってしまうこと。英語から日本語に直訳すればそうなるわね。
・文法・・・助詞や動詞の活用など、これはきりがない。「レストランにご飯を食べます。」とかね。

じゃあ、この原因ってなんだろう。
これらの原因はいくつかあげられるし、学生の出身国にもよる。本人の日本語の勉強の仕方にもよるだろうし、その日の気分でも間違えるときがある。

実際の誤用をみてみよう。
・「朝ご飯を食べなくて、学校に来ました。」−もちろん正しくは「食べないで」。
私達日本人は、このような文章を聞けば、ああ、ここが間違っている、とすぐわかる。おかしいことはすぐわかる。じゃあ、どこがどう、違っているのか、日本語を勉強している外国人にわかるように説明しなさい、となった場合は?ここからが日本語教師の腕の見せ所。
例えば上記の誤用「なくて」と「ないで」。例文を出してみよう。
「なくて」
 ・「旅行にいけなくて、がっかりした。」
 ・「勉強ができなくて、困っている。」
「ないで」
 ・「旅行に行かないで、家にいました。」
 ・「勉強をしないで、試験を受けました。」
こう書いていくとだんだん見えてくる。「なくて」のほうは後の文が自分の気持ち・感情になっている。さらに「なくて」の前の動詞の活用が「可能形」になる傾向がある。「ないで」の場合は状態を表しており、特に前と後で関連がない。
というようなことを、学生にわかりやすく説明するのである。
こうしてみると、やはり日本語教師って、専門のトレーニングが必要だな、って思う。

その他の誤用をみてみよう。
・「教室に1人だけいます。さびしいです。」−この場合は「1人しかいません。」のほうがしっくりくる。

・「来週の遠足、行くかどうかまだ決めていないので知りません。」−「わかりません。」

・「(空港のセキュリティで)危険物が入っているかどうか調べます。」−「入っていないかどうか」だよね。 

ここからは中級の誤用。
・「その大学は留学生として、奨学金をだします。」−「留学生に対して
・「留学生に対して、昼ご飯2000円は高すぎます。」−「留学生にとって
・「私は留学生にとって、日本に来ました。」−「留学生として
この3つは大変だ。明らかに間違い、と分かるけど、最初、どうして違うのかはうまく説明できなかった。みなさん、きちんと説明できますか?

まだまだ続く誤用分析。
授業では実例を見ながら、間違っている部分を指摘、訂正し、その誤用に対する指導を考えた。
例えば
・「私は来年大学に入って欲しいです。」
・A「あ、ステキなバッグ。いくら?」
 B「これ、買いませんでした。友達のプレゼントです。」
・「だれでもなんでも言いませんでした。」
・「あ、今覚えました。約束があったんです。」
・「花火大会に多い人が集まりました。」

まだまだある。さらに、学生たちが雑談しているビデオを見ながら、誤用を見つけ、分析する作業もした。みんな、中級の上のクラスの学生なので、かなり流暢にはなせる。ちょっとした誤用だったら別にきにしないし、意味が通じてしまうので特に指摘もしないだろう。でも、よーく聞いてみると、ちょこちょこあるものなのね。

こうして「誤用分析」の授業が終わったが、非常に面白かった。この誤用の研究をやったら自分の日本語力もパワーアップするだろうな。

 
 第四十九話.花火大会。

夏。夜。といえば花火。今日は恒例の花火大会を見に、葛飾まで行く日だった。
このような学校行事にも参加させてもらい、学生との距離もだんだん近くなってきた今日この頃。葛飾の花火大会なんて今まで行ったことも聞いたこともなかったのだが、意外と穴場でいいとのこと。
夕方学校の前に集まる。もちろんこの日は講座はナシ。行ってみると、浴衣を着ている女子学生や、男子学生でさえ甚平や浴衣を着て集まっていた。かっこよかった。
電車で移動し、葛飾に着く。帝釈天前でヘチャヘチャ食べ、川原に行き、場所を確保する。あとは花火が上がるのを待つだけ。

そして、ドドーン。
きれいだった。首が痛くなるほど見上げて花火を見た。ひと時の幸せを感じた。

 
 第五十話.まとめのテスト2。

まとめのテスト2。このテストをもって、とりあえず初級の教え方のまとめとする。
4月から丸3ヶ月間、初級の教え方を勉強してきた。半分以上を初級の教え方に費やしてきた。これからは中級・上級の教え方に入るのだが、中・上級の文法の導入は、やはり初級の導入方法が基本になっているで、初級での教え方をきちんと頭に入れておかないと中級でも教えられないことになる。
初級の後半は、基本文型のほかにも「〜かもしれません」や「〜てみます」「〜つもりです」なども含まれたため、細かい文型がたくさんでてきた。テストのための勉強ではなく、実際自分がこれから教えるんだ、目の前に学生がいるんだ、という気持ちで勉強すると、スッと頭に入ってくる。
テストでいい点をとること、養成講座を卒業することが目標ではない。この講座はあくまでも手段。道具。講座で勉強したことを噛み砕いて、それを自分のものにし、そしてはじめて学生達に教えることが出来る。ここで達成感や満足感を得ていられないのだ。講座を終えてやっと、スタートラインに立てるのだから。
んで、まとめのテスト2。今回はなんと、次の時間の項目になっている「ビデオ講評」ともつながっている、というじゃない。そう。このまとめのテストの実技をビデオに撮り、あとで見ながらナンダカンダ言うというのだ。いやだなぁ。こういうときに限ってなんかしでかしそう。

そしてMartyは見事、しでかしてしまった。失敗を。
Martyの実技テストの項目は「使役」。この「使役文」、ちょっと気をつけなければならない箇所がある。授業では散々注意するように言われていたのだが、ほんと、ウッカリミスをしてしまった。
「使役文」を導入するときには、「を」を取るものと取らないものの2種類がある。例えば、
1.「先生は学生を立たせました。」
2.「先生は学生に本を読ませました。」
これを動作をした人を中心にして考えてみると、
1.「学生は立ちました。」
2.「学生は本を読みました。」
となるよね。このとき、2の場合は「本を」という「を」が入る。この「を」がクセモノ。
1の文の導入だったらこんな風かな。
「先生は学生にいいました。『立ちなさい。』 学生は立ちました。先生は学生を立たせました。」
ちょっとシチュエーション的には足りないけど許して。このとき、「学生」が「学生」になり、「立ちました」が「立たせました」になる。それが2の場合だと、「学生」が「学生」になり、「本を」はそのまま「本を」になり、動詞の「読みました」が「読ませました」になる。こんなに違うのだ。だから最初は1の文の形で導入する。もちろん、そういう文章ばかりを集めて導入するのだ。この1の形が定着してから2に入る。つまり、この2つの文章の導入はきちんと分けなければならない。

ちゃんと勉強したのに、Martyはゴッチャにして実演してしまったのですよ。
しかも、実演の途中まで気づかず、学生役の先生に練習させる段階で、「あれ?あれ?」を連発してしまい、そこで初めて、やっちまった・・・。と気づいたのだよん。
やべー、って感じでした。わかっていただけに、自分自身に腹が立ち、悔しく、泣きたい気持ち・・・・。
・・・しかも、そうだった・・。これ、ビデオに撮られてたんだっけ・・・。げろーっ。
とまあ、失敗に終わったテストだった。クスン。

ビデオ?あのあと、見たよ。失敗もそうだけど、Martyを客観的に見てみると、ヘンな生き物のように見えた。へんに猫背だし、しょっちゅう髪の毛を耳にかけてたし、なんか、貧相。
でも、この失敗のおかげで、少し慣れ、奢りはじめていた自分にいい戒めが出来たと思った。この失敗を無駄にしないようにしよう。

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